プロローグ

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心を置き去りにしたまま、彼と唇を重ねるのは何度目だろう。 あっさりと熱を帯びた身体は、もはや彼の思うがままに反応を示す。 弄ばれた頂に彼の舌が這い、薄布の隙間から冷たい手が差し込まれ最も熱くなった場所にたどり着いた。 「あぁっ……」 堪えきれなかった嬌声が漏れた途端、彼は小さく笑って私を見上げた。 「もう濡れてるけど」 「……っ」 泣き叫びたいほど、身体がこの男を求めていることを見抜かれた瞬間だった。 「ほら、ね」 見せつけられた水滴にとてつもない羞恥心を煽られて、固く目を閉じると、再び彼の唇に声を塞がれる。
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