Act.1

2/29
8187人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
「で? それで別れたの?」 「だって仕方ないでしょ。 他に好きな女ができたって言われちゃったら、もうどうしようもないし」 「はぁー、あんたも本当に男運ないよねぇ。 浮気されて別れるの何回目?」 そう言って親友の二宮千波(にのみやちなみ)は、いつの間にか最後の一本になったねぎまの焼き鳥を口に運んだ。 1年ほど付き合っていた彼と別れた日曜日。 千波の幼馴染でもある木嶋大吾(きじまだいご)が経営する居酒屋で夕食を済ませながら、私もため息をついた。 確かに千波に言われる通り、私はどういう訳か、男運がないらしい。 大学時代に初めてできた彼は、同じサークルの友達に奪われた。 ようやくその失恋から立ち直り、次に付き合った彼は高校の頃の後輩に寝盗られた。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!