Act.1

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だけど男運には恵まれなくても、千波とはもう20年来の親友関係が続いているし、仕事もそこそこ順調。 それなりに人生は楽しめている気がするし、今の生活に不満はない。 「まぁ、しばらくは一人でいいかなと思って……」 「ふはっ! まぁ佳奈にはナイト様がいるもんねー」 「ナイト様って?」 「またまたぁー、恭さまがいるでしょ」 「恭ちゃんは、ただの幼なじみだよ」 全力で否定した私を遮るように、大吾さんが空になったジョッキをさげながら呟いた。 「おい、千波。お前そろそろ仕事の時間じゃねーの?」 「え? わ!ヤバい!今日同伴入ってたんだ! 大吾さん、ごめん、これ今日のお勘定。お釣りはまた明日来るからその時でいいからね!」 「……つーか、足らねーし」
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