小さな橋の下

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 ニシキゴイはそうひとこと言いはなつと、ヒレをバタバタさせて、水中から飛び上がり、そのまま青空めがけていちもくさんにかけていったのだった。 その光景に私は思わずびっくりしてしまい、私まで空に浮かんでいくのではないかと思うほど飛び上がったのだが、そのひょうしに私の顔にはりついていたメガネが、ぽんと橋から落ちて、小川の流れにぽちゃんとひたってしまった。 そのメガネはすぐさま、さっきのニシキゴイはあろうかという大きな大きな黒いコイに飲みこまれ、黒いコイはすぐさま上流の方へとゆっくりゆっくりのぼっていってしまったのだった。  「あ…。」
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