10人が本棚に入れています
本棚に追加
気づくと、あたりは真っ暗闇に戻っていた。
メガネがないとぼやけて何がなんだかわからない。
ここが、さっきいた橋の上かもわからなかったが、手でふれている金属の感触は、さっきのらんかんのものと変わらなかった。
どうしようかととほうにくれていると、しばらくしてケータイの着信音がなった。
“だいじょうぶ~ふあんにならないで~がんばるんだ~きっとなんとかなるさ~”
「あ、もしもし、パパ?」
「美沙、大丈夫か?仕事が終わって急いで帰宅したんだが、美沙が帰ってきていないから心配になって何度も電話したんだぞ。今、どこにいるんだ。」
「え?そうだったの?今、ここは…。どこだろう?」
「ここは、ここは滝川町のこいのぼり橋だよ。」
「パパ、滝川町のこいのぼり橋だって。うん、大丈夫、待ってるね。」
最初のコメントを投稿しよう!