プロローグ

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「おい!起きろって!」 隣で俺を起こす声が聞こえる。 「あ、あぁ。…んだここ?」 そんな声にこたえるように目を覚ます・・・隣の奴が。 俺じゃなくて俺の隣で寝ていたやつを起こそうとしてたようだ。 「森…だな。」 俺も体を起こしあたりを見渡す。 そこは確かに森だった。 青々とした木々に、きれいな小川。 日本でもなかなか見ない美しい森だ。 「私たちどうしてこんな所にいるんだっけ?」 「確か修学旅行で…バスで移動中だったよな?」 「あぁ、俺もそこまでは覚えてるんだがその後の記憶ない。」 そういうのは見覚えのある顔ぶれだった。というか同級生だな。 松野高等学校3年生の男女が約20人ほど。 同じクラスの奴もいるが別のクラスの奴もいるな。 そいつらが友人同士で固まりながら話しているようだ。 俺はたまたま、たまたま!友人がこの場にいないので誰も起こしてくれなかったのだ。 知ってる奴はいるぞ?登山大好き山田野戊郎(ヤマダノボロウ)とかは話したこともある。顔は広いのだ。 「ダメだ、まったく訳が分からん。」 「おいお前ら、あそこにキャンプっぽいものがあるぞ。人がいるんじゃないか?」 まったく状況もわからないので俺の言葉通りキャンプに行くことにする。 「なんだかずいぶん汚らしいわね。」 「なんだか素人が作った感じじゃね?」 確かにアホ女の言う通りどこか知ろうと臭い作りだ。 …いや、俺あいつ嫌いなんだよ。 「ん?あれ人なんじゃないか?」 「ほんとだ!大丈夫ですか!?」 確かにそこには人が倒れていた。 すぐさま助けに走り出した男子がいたがおそらく、もう…。 「ッ!?」 助けに行った男子が飛び退く。 案の定だったのだろう。 「ひ、ひと、人が死んで」 「落ち着け。ゆっくり深呼吸するんだ。」 うろたえる男子に声をかけるのは山田だ。 山田いわく、山ではうろたえて者から死んでいく。なので常に平常心でいることが大切なのだそうだ。 この男、なかなかできるやつなので。 「みんなも、気持ちはわかるが落ち着いてくれ。何か手掛かりがあるかもしれない。手分けしてここを調べてくれ。」
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