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「さて、手紙の主が残してくれたメモだがこれだ。」
【・拠点を中心に2キロほどは安全地帯で、小鬼に追われていようともそこに入ってくることはない。
・小鬼は常に数匹で行動している。
・小鬼を倒しても身体能力が上がるなどはない。】
「…以上だ。」
「少な!?」
「これだけかよ!?」
「命がけということを考えればよく調べたほうなんじゃないかな?」
確かに、いきなりこんな訳の分からない状況に放り出されて、しかも命のやり取りもある。そう考えればよく調べたほうと言えるか。
それより気になるのは初めの項目だ。
「この【拠点を中心に2キロほどは安全地帯で、小鬼に追われていようともそこに入ってくることはない。】ってのが気になるな。
普通獲物を追っているのに一定の地点で諦めるってのは考えにくい。」
「だな。だから手紙にも書いてあったんだろうな。この世界にはルールがあるって。」
「ま、考えても仕方ないだろう。情報が少なすぎる。
それよりも今後どうするかを考えるべきなんじゃないか?」
俺のその言葉にみんな一様に考えこむ。
もっとも考えるも何もいろいろ調べるしかないんだろうがな。
「意思確認をしよう。これからどうするか意見のあるやつはいるか?」
山田の発言にみんなお互いの顔を見合わせる。
こういう空気で発言ってしにくいんだよ。俺も結構発言とかはするタイプだけど言いにくい。
そう思っていると、チャラそうな見た目をした男子が手を挙げた。
「やっぱり小鬼ってのを一回見て見るべきなんじゃねーかな?
もしかしたら大したことねーかもしれねーかもだしよ。」
「で…でも前の人はし…死んじゃった人もいるんだし…。
こ…ここで助けを待ってたほうがいいんじゃないかな?」
「いや、そもそもここ地球じゃないんじゃないのか?」
俺の言葉に何人かが何言ってんだこいつ?みたいな顔で見てくる。
「地球じゃないって何言ってんの?んなわけないじゃん。」
「地球に小鬼なんていないだろうが。ならここが地球じゃない可能性もある。
現実は小説よりも奇なりってな。」
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