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”はるかむかし、さんにんのかみさまがいらっしゃいました。
ひとりは、ちのかみメギンハルクス
もうひとりは、ぶのかみグラドネルメス
そして、あいのかみネミルフルサス。
さんにんのかみさまはそれぞれで、そらを、だいちを、そしてうみをつくりたまいました。
そのあとに、またそれぞれでどうぶつ、しょくぶつをおつくりになられました。
さいごに、さんにんでちからをあわせて、にんげんをおつくりになったのです。――――――”
月光の射す部屋で、美しい白銀の髪をした少女が一人、何度も読み返されボロボロになった古い絵本を読んでいた。
少女はしばらく三柱の神が手をかざして人間を作っている絵を眺め、おもむろに間を飛ばして最後の数頁を読み始めた。
”――――――あるひ、やみのなかからあくまナーシャスがうまれました。
あくまは、にんげんのまちをおそい、おおくのにんげんをころしました。
さんにんのかみさまは、あくまをゆるしませんでした。
かみさまは、にんげんのゆうしゃライアルズにそれぞれちからをあたえました。
メギンハルクスは、よのだれにもまけないえいちを。
グラドネルメスは、だいちをくだくわんりょくを。
ネミルフルサスは、どんなことにもくじけないこころを。
そしてさんにんぜんいんで、ゆうしゃにせいなるまりょくをあたえました。
かみさまにちからをいただいたライアルズは、あくまとたたかいました。
なのかななばんつづいたたかいのすえ、らいあるずのけんがあくまをきりさき、あくまのまほうがライアルズをうちぬきました。
あくまはしょうめつし、ライアルズもまたたおれてしまいました。
しかし、それをあわれんだかみさまたちがゆうしゃにふたたびせいをあたえました。
こうしてゆうしゃはいきかえり、せかいがへいわになったのでした。”
少女は暫く生き返った勇者の絵を見つめ、やがてため息を吐いて絵本を閉じ、本棚へそれを戻した。
そのまま、どこか疲れたようにベットへ潜り込んだ。
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