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{………おらんのう。}
軒並み食べつくしたんじゃない?
ある凍り付いた森の中、体内の相棒と二人、獲物を探してうろついている。
ここ最近餌の数が減ってきたとは思うけど………。
{根元を叩き過ぎなんじゃ。}
そんなこと言われても。
チューリ・シーブス、今年で十七歳。
背丈は伸び、服の上からじゃ分かりにくいけど筋肉も付いた。
でも、宝玉のような碧眼と輝く白銀の髪は、幼い頃から変わらない。
{おい、チューリ。
何かあるぞ、”右”で見てみよ。}
ん。
同居人の魔力を体の表面に押し出し、姿が変わる。
身体の右側には鱗が浮かび、右手の爪は鋭く伸びる。
頭の右側からは魔力でできた鋭い角も生え、そして右目が紅玉の様に真紅に染まり、瞳孔が縦に割れた。
身体に居候している同居人、”氷龍”ウルス・ルシャーロの魔力の影響だ。
三割弱ほど回復した力は、そうとは思えない程凄まじい。
そして右目に宿る龍の眼は魔力を映す。
ホントだ、何かあるね……でもあれは餌じゃ無さそう。
陣だよ、たぶん。
{むっ……………のう、チューリよ…………}
却下、潰すよ。
{…………じゃろうのう。}
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