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「………ふぅっ………。」
森を出た所で詰めていた息を吐きだす。
いつもの事だが、緊張しなくなる日は未だ来ない。
………いや、来なくていい。
{……のう、チューリよ。今日は引き上げるのが早うないか?
いつも日暮前まで”食事”をするのに、まだ昼過ぎじゃぞ?}
狩りの短さに同居人から不満そうな声が上がるが、理由がある。
「大物を喰ったんだから我慢しなよ。
………今日はおじさんから呼び出されてるから。」
口に出す必要は無いが、周りに誰もいないとつい喋ってしまう。
出来れば改めたいんだけどな。
{ドラニアムからか…………なら、仕方ないのう。}
そう、仕方ないんだよ。
おじさんには色々と融通きかせて貰ってるんだしね。
例えば、一人で森に”食事”に出ることとか、ね。
{分かっておるわ………全く、人間社会とは度し難いほどに複雑な機構じゃのう。}
そうだね。でも、ウルも慣れてきたんじゃない?
{戯けが。妾にとっては、いつまで経っても過ごし難い世界よ。}
そう………まぁ、そうだろうね。
森の中では感じなかった強い日光が目を灼く。
今日はいい天気だ。
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