4人が本棚に入れています
本棚に追加
「チューリ・ドラニアム、ただ今帰還しました。」
食後の報告は義務だ、やらないと今後の自由に差し障る。
後、私は一応おじさんの娘ってことになってるから、公的な場ではドラニアム姓を名乗っている。
「おう、お疲れ、戦果は?」
聞いたのはテドン・ヤーゴン討伐隊総隊長。
今の私の上司に当たる人だ。
「最下級32、下級10、中級1、あと陣が一つと出てきた上級1です。」
「おお!!また陣を潰したのか、よくやった!!」
「いえ。」
総隊長、嬉しそう。
まぁ、着実に平和に近づいてるからね。
でも、私の勝手なのに褒めてもらうのはなんか………むず痒い。
退室して、ため息一つ。
今からおじさんに会うのがちょっと心苦しい。
要件は分かってる、前々から言われてたことだし。
今日の城の招宴に出席するように、に違いない。
別に逃げやしないけど、バっくれると思われてるみたい。
ただ、ちょっと行きたくない理由があるってだけなのに。
{嫌なら出なければ良いだろうに。}
そうもいかないんだよ、ウル。
{精神的にも肉体的にも、人間なぞとうに辞めとる者の発言とは思えんの。}
……さっきも言ったけど、人間社会で生きてる以上、仕方ないんだよ。
というか、そもそも人外なウルに言われるのは………。
{妾だからこそ、じゃ。}
最初のコメントを投稿しよう!