九年

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 「チューリ・ドラニアム、ただ今帰還しました。」  食後の報告は義務だ、やらないと今後の自由に差し障る。  後、私は一応おじさんの娘ってことになってるから、公的な場ではドラニアム姓を名乗っている。  「おう、お疲れ、戦果は?」  聞いたのはテドン・ヤーゴン討伐隊総隊長。  今の私の上司に当たる人だ。  「最下級32、下級10、中級1、あと陣が一つと出てきた上級1です。」  「おお!!また陣を潰したのか、よくやった!!」  「いえ。」  総隊長、嬉しそう。  まぁ、着実に平和に近づいてるからね。  でも、私の勝手なのに褒めてもらうのはなんか………むず痒い。  退室して、ため息一つ。  今からおじさんに会うのがちょっと心苦しい。  要件は分かってる、前々から言われてたことだし。  今日の城の招宴に出席するように、に違いない。  別に逃げやしないけど、バっくれると思われてるみたい。  ただ、ちょっと行きたくない理由があるってだけなのに。  {嫌なら出なければ良いだろうに。}  そうもいかないんだよ、ウル。  {精神的にも肉体的にも、人間なぞとうに辞めとる者の発言とは思えんの。}  ……さっきも言ったけど、人間社会で生きてる以上、仕方ないんだよ。  というか、そもそも人外なウルに言われるのは………。  {妾だからこそ、じゃ。}
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