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駆「…なんか、近付いてね?」
気の所為か、だんだん あちらから近付いている、距離が縮まるような感じが、駆にはした。
駆「あいつ、まさか……」
駆は あることに気付く
駆「俺にDance battle(ダンスバトル)を仕掛けようとしてるのか…!」
ダンスが趣味で今も尚 続けている駆だが、何処か抜けているのか、そういう考えに至る
きっと、その白い影がクネクネと動いている姿がダンスをしている。誘っているかのように見えたのだろう
駆「よし、受けて立ってやる」
駆は白いクネクネに負けまいと、パフォーマンスを繰り広げ始めた
~
数分後、駆は体力の限界を感じ、パフォーマンスを終了する
駆「こいつ…まるで 体力の底がない…一体…」
当初はバカなことを考えていた駆も、次第に状況を理解してきた
そして、目の悪い駆が、その正体をはっきり暴いた
駆「…人間じゃないのか?」
たしかにそれは、人のような形をしていた。だが、人間というには、色々と不可思議な点がある。
1つは、これだけのダンスバトルを繰り広げているなら、体力はそろそろ底を尽きるはず。人間がここまで息を切らさずにできるはずがない
2つ目は、実体を感じないこと
全身が白い影で覆われているが、別に霧が出ているわけでもなく、普通に考えておかしい。動きも、人間のものにしては、関節などに違和感がある
それらの点から、駆はこれが人間ではないことに気付き
走って逃げる
駆「あ!」
走って逃げている最中、駆は誰かを見かける
駆「よっちゃんか!おい!何してる!」
よっちゃんと呼ばれる男性は、ずっと 白い影の方を指差し、ガクガクと震えている
駆「どうしたんだよ!?」
どうやら、よっちゃんというのは中学時代、駆が都会に行く前に仲良くしていた地元の友達のあだ名で、明るい性格だったようだ
そんなよっちゃんが 返事も返さないのはおかしいと思ったのだ
駆「やっぱり、あいつ…何かあるのか」
駆は、白い影が更に不気味になり、急いで家へ戻った
駆「爺ちゃん!婆ちゃん!」
駆の祖父「どうした」
ドタドタと鳴らせ、息を切らしたように帰ってきた駆を見た祖父と祖母は心配する
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