第5話「複雑な感情」

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「次は~駅。~駅です」 女の人の声で、次の駅を知らせるアナウンスが鳴る。 次の駅に着くと、何故か 2人以外の乗客はほとんど出ていき 魂達のいる車両にいるのは、2人だけになってしまった 恵里「あれ?ここ、別にいつもなら、こんなにゾロゾロと降りるような場所じゃないんだけどな…」 恵里はその光景を不思議そうに考えるが 魂は… 魂「(恵里さんと2人きり!?)」 どうやら、それどころではないようだ と、そうしてる内に電車は再び出発し、次の駅のアナウンスがまた流れる 「次は、きさらぎ駅…きさらぎ駅…」 先ほどまで、女性の声だったはずが低い男性の声へと変わっている 魂「…?」 その様子に、やっと魂も異常を感じる 魂「なんか…変じゃない?」 恵里「ええ、私も様子がおかしいと思うの」 「きさらぎ駅。きさらぎ駅です…」 2人は、この電車は怪しいと確信し、その きさらぎ駅で降りることにした 魂「…っ…」 電車を降りた瞬間、魂はその異様な光景に驚く 駅全体が、真っ暗な闇に包まれているかのように、明かりが一つもなく、不気味な雰囲気を漂わせていた。 更に、人影もない。 恵里「ね、ねぇ…なにこれ…」 魂「そうだ…!宗仁達なら…」 魂は宗仁達に連絡を取ろうとするが、圏外となり、繋がらない 魂「クソッ!…なんで…」 恵里「どうしよう…魂…」 恵里は不安そうな顔をして魂を見る 魂「俺が…」 魂は、自分が何とかしないといけないと感じたのか、恵里の手を握る 魂「俺が何とかする。だから、安心して。恵里さん」 恵里「うん…」 魂「……そうだ、LINEなら」 魂は、途中だった駆とのLINEを開く 魂「…これは!」 駆とのやり取りを見ると、駆がきさらぎ駅のことについて詳しく書いていた 魂「そうか、俺!」 魂は、駆がLINEで、きさらぎ駅の話題について話していて、その会話の途中だったことを思い出した 魂「普通に電車で帰宅していたはずが、存在しないはずの無人駅に降り立ってしまう現象。そして、その駅の名前がきさらぎ駅…」 魂は、駆の送ってくれたメッセージを確認する。 魂「間違いない。正に この現象だ」 と、続きを読む
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