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駆「と…」
駆は、屋上のフェンスに腰掛ける
駆「しっかしなぁ。まさか、お前が遅刻なんて、珍しいこともあるもんだ」
魂「仕方ないだろ…俺の家から学校まで そこそこ距離あるし、早めに起きとかないと…」
と、魂は溜め息を吐きながら答える
つぐみ「そうよね。貴方の家、少しここから離れてるし」
魂「その通りだよ。あ、駆!お前は ダンスの方、どうなんだ」
魂は駆の趣味であるダンスについて、最近の調子はどうか問う
駆「まずまずってところか」
つぐみ「たしか、YouTubeにも、ダンスの動画上げてるんだよね」
魂「すげぇよな。俺も動画出してるけど、全然再生回数伸びないよ…」
3人は、いつものように、それぞれの趣味のことなどで盛り上がった。話に夢中になりすぎて、箸が止まっていることにも気付かずに
と、そこで つぐみが ある話を切り出した
つぐみ「そう言えばさ。最近この辺で、女性が踏切で電車に跳ねられたんだって」
つぐみは恐怖を醸し出すかのように、冷たく低い声でそう言う
駆「なんだよ。けどそれは事故と変わりないじゃないか。可哀想だけどさ」
駆は呆れたというような顔をするが、つぐみの表情は変わらない
つぐみ「話はここから。遺体は上半身と下半身が切断された状態で見つかったの。けど、出血した後がないのよ。まるで、血管の先が凍りついて止血されたように」
魂「いやいや、おかしいだろ!」
と、魂は 否定するように言った
魂「凍りつくて…北極とかじゃあるまいし。そんな話あるわけないって」
つぐみ「安心して、私もそんなの信じてないから」
駆「お前ら、そういうの信じないタイプだもんな…」
駆が、苦笑いしながら そう言うのを見たつぐみは
つぐみ「じゃあ何。駆はいるって信じてるの?」
と、小馬鹿にするような態度で言った
駆「そういうわけではないが…」
少し重くなる空気の中、今度は魂が切り出す
魂「それで、その後は?」
つぐみ「え、あぁ。その女性は、お陰ですぐには死ねなかったそうよ」
魂「ふーん」
魂は腕を組み、考えるような素振りをする
つぐみ「でね。この話を聞いてしまった人のところには、3日以内に下半身のない女性の霊が現れるんだって」
それを聞いて、魂と駆は
「へぇー」
と、返すが、2人はあることに気付く
魂「おい、待てよ」
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