第1話「始まりの刻(とき)」

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駆「と…」 駆は、屋上のフェンスに腰掛ける 駆「しっかしなぁ。まさか、お前が遅刻なんて、珍しいこともあるもんだ」 魂「仕方ないだろ…俺の家から学校まで そこそこ距離あるし、早めに起きとかないと…」 と、魂は溜め息を吐きながら答える つぐみ「そうよね。貴方の家、少しここから離れてるし」 魂「その通りだよ。あ、駆!お前は ダンスの方、どうなんだ」 魂は駆の趣味であるダンスについて、最近の調子はどうか問う 駆「まずまずってところか」 つぐみ「たしか、YouTubeにも、ダンスの動画上げてるんだよね」 魂「すげぇよな。俺も動画出してるけど、全然再生回数伸びないよ…」 3人は、いつものように、それぞれの趣味のことなどで盛り上がった。話に夢中になりすぎて、箸が止まっていることにも気付かずに と、そこで つぐみが ある話を切り出した つぐみ「そう言えばさ。最近この辺で、女性が踏切で電車に跳ねられたんだって」 つぐみは恐怖を醸し出すかのように、冷たく低い声でそう言う 駆「なんだよ。けどそれは事故と変わりないじゃないか。可哀想だけどさ」 駆は呆れたというような顔をするが、つぐみの表情は変わらない つぐみ「話はここから。遺体は上半身と下半身が切断された状態で見つかったの。けど、出血した後がないのよ。まるで、血管の先が凍りついて止血されたように」 魂「いやいや、おかしいだろ!」 と、魂は 否定するように言った 魂「凍りつくて…北極とかじゃあるまいし。そんな話あるわけないって」 つぐみ「安心して、私もそんなの信じてないから」 駆「お前ら、そういうの信じないタイプだもんな…」 駆が、苦笑いしながら そう言うのを見たつぐみは つぐみ「じゃあ何。駆はいるって信じてるの?」 と、小馬鹿にするような態度で言った 駆「そういうわけではないが…」 少し重くなる空気の中、今度は魂が切り出す 魂「それで、その後は?」 つぐみ「え、あぁ。その女性は、お陰ですぐには死ねなかったそうよ」 魂「ふーん」 魂は腕を組み、考えるような素振りをする つぐみ「でね。この話を聞いてしまった人のところには、3日以内に下半身のない女性の霊が現れるんだって」 それを聞いて、魂と駆は 「へぇー」 と、返すが、2人はあることに気付く 魂「おい、待てよ」
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