第1話「始まりの刻(とき)」

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駆「お前 ふざけんなよ…」 そう、魂と駆はこの話を聞いてしまったため、話が本当なら、3日以内に霊に遭遇してしまうのだ 駆「ガチだったらどうすんだ」 と、駆は少し弱気になって本音を吐く つぐみ「だから霊は脳の錯覚。幻覚よ」 駆「だとしてもだよ」 そんな2人のやり取りを聞いていた魂は もう一つ ある事に気付いた 魂「なぁ」 駆「どうした?」 魂「つぐみ。お前は この話を知ってるってことは、誰かから聞いたんじゃないのか」 つぐみ「うん…まぁ、友達に。けど、もう2日経ってるのに何も起きてないわ…」 魂「いや、3日“以内”だろ?まだ3日 キッチリ経ってるわけじゃない」 という魂の推論を聞いた2人は、少し表情が強張るが すぐに笑い始める つぐみ「バカ(笑) 本当に信じちゃった」 と、つぐみは 自分が言ったことは全て冗談であったかのように、真面目な推論を出す魂を大笑いする 駆「いくらなんでも、それは…」 駆も、大体 同じような理由で笑いを堪えている 魂「…もういいよ。別に信じなくてもいいし」 魂は少し拗ねたように、顔を背けながら言う つぐみ「ごめんって」 つぐみは、魂の様子を伺うようにして 謝る 駆「そろそろ教室に戻ろう。遅れちまう」 つぐみ「そ。じゃあ今日は解散」 と、5限目の用意のため、3人は解散することにした。 ~ 同日 15:30頃 先生「それでは、風邪などに気を付けて、また明日」 終礼が終わり、生徒達は一斉に教室を出る。しかし、魂は比べ物にならないスピードで教室を飛び出し、そして家へ帰ろうとしていた 魂「今日はバイトも予定もない…帰って、俺は寝る!!」 そう心の中で叫びながら、数分後 魂は 無事家へと辿り着いた 同日 17:00 すっかり日が暮れて来て、学校では、生徒は完全下校の時刻へと近付いていた 魂「ん…今、何時だ」 魂は、学校から帰宅した後、ぐっすり眠っていたようで、今になってやっと目覚める そして、時間を確認しようとスマホを手に取った時だった。 ピロン といった音が鳴り、魂のスマホの画面が光る 魂「…LINEか」 魂は起き上がり、スマホを開く。そして、無料通話 メールアプリ LINEを起動した 魂「つぐみ?」 そのメッセージはつぐみからだった
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