第1話「始まりの刻(とき)」

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~ つぐみ「はぁ…はぁ…」 つぐみは、魂から届いたメッセージを頼りに逃げ回っていた 魂「テケテケは、目を合わせちゃいけない。振り向かず、真っ直ぐ逃げろ!」 と、魂はつぐみに向けてメッセージを送っていた つぐみ「けど……もう…」 つぐみは走り続けたが、その体力は既に限界を迎えていた テケテケテケテケテケテケテケ しかし、話にあった、テケテケのものと思われるその足音は、つぐみの疲労にお構いなく、距離を詰めて行く つぐみ「あっ!」 そんな時に、つぐみは 足がもつれ、転倒してしまう つぐみ「そんな……はっ!」 その拍子に、つぐみは背後を振り向いてしまう そこにいたのは、 大きな鎌のような物を持った下半身のない、女性だった つぐみ「これが…テケテケ!?」 今まで、霊や、その類を信じたことのなかったつぐみは、焦り、恐怖といった感情に襲われる それも束の間、テケテケはとてつもないスピードで つぐみに追い付き、鎌を大きく振り上げる その様子を見た つぐみが、死を覚悟した時だった 魂「ストライクショットォオ!!」 魂は自転車に乗ったまま、テケテケに突撃する その直撃を受けたテケテケは、仰け反るようにして 後退する 魂「あ、当たった?霊にも…通用すんのかよ」 つぐみ「魂?…」 魂「悪い。遅れた。逃げるぞ!」 つぐみの元へ辿り着いた魂は、つぐみの手を引き、逃げようとする しかし、テケテケは再び、2人の元へとやって来る テケテケは、その大きな鎌を、魂の自転車へ向けて振り下ろす 魂「やべっ…」 魂は、ギリギリで自転車をテケテケの方へ蹴り飛ばし、回避する が、自転車はテケテケの鎌により 真っ二つに斬られる 魂「おいおい嘘だろ…あんなのまともに喰らったら…」 テケテケは 魂に向き直る つぐみ「魂!」 魂「クソッ…」 これ以上、対抗策がなく どうしようもないと思っていた魂だったが そこへ、テケテケへ向けて矢が飛ぶ テケテケ「ギャァァァ!!」 矢が命中したテケテケは、悲鳴のような声をあげる 魂「誰だ!」 魂が後ろを向くと、そこには 忍者のような姿の男が立っていた。 マスクで顔を隠し、黒い篭手などの防具をつけている 「生身で霊に挑むとは…その勇気、“ブレイカーズ”に相応しい」 と、男は話し始める
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