あと25回

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葵央は大村先輩と私が仲がいいと思い込んでいるみたいだけど、それは先輩と後輩として仲がいいだけ。 地球がひっくり返ったって、こんなすごい先輩が私のこと好きになるわけないのに。 そういえば私、この間葵央に、売り言葉に買い言葉で『大村先輩と幸せになる』的なことを言ってしまったんだった。 「……先輩ごめんなさい。私ごときが……」 「ん?何を急に謝ってるの?」 「いや……あはは、なんでもないです」 笑ってごまかしている私を先輩がジッと見つめてくる。 先輩が醸し出す空気が少し変わったのを感じて首を傾げた。 「今日、昼休みに見たよ。彼氏と一緒にいるところ」 「え……」 「2人で階段を下りていったでしょ」 一瞬、キスしていたのを見られたのかと思って心臓が止まるかと思った。 そうじゃなかったけど、先輩が重い表情をしているから胸騒ぎが収まらない。 「彼、バイトばっかりで、桜本さんのことほったらかしなんでしょ?女の噂もあるって2年の子達が話してるのを聞いたけど?」 「……」 全部その通りで言い訳できない。 怒られているように感じて思わず俯いてしまった。
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