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「別れよっか、俺達」
近々その言葉を言われる。
そんな予感はしていた。
だから今さら驚きもしないし、ましてや悲しんだりもしないよ。
微妙な距離を取り、私の前に立つのは、今この瞬間まで彼氏だった男、葵央(あお)。
「……うん、わかった」
私はその目をしっかりと見つめて、抑揚のない声でそう答えてみせた。
次の瞬間に風が吹いて、私と葵央の間を通りぬけていく。
まるで、風が2人の関係を断ち切ったかのように思えた。
高校2年生になった私達。
私も葵央もあの頃よりも随分と大人になってしまったね。
私の髪は長くなって、背だって数センチは伸びた。
葵央もあの頃の何もセットしていない髪型とは違う。背に至っては一体何センチ伸びたんだろう。
手の大きさだって、肩幅だって、声の低さだって、あの頃とはもう別人かっていうくらいに違うよね。
でも、一番変わったのは私達の間に流れる空気かも。
付き合ってからもう3年が過ぎたんだね。
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