あと25回

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* * * 「何かあった?」 葵央の声で我に返った私は顔を跳ね上げた。 大村先輩に告白された次の日の昼休み、体育館裏。 いつものようにほとんど会話なくお弁当を食べていたのに、葵央が急にそんなことを聞くから激しく動揺してしまった。 「別に……」 目が合ってしまったから、感情を読まれないように慌てて目を逸らす。 昨日大村先輩に告白された時のことを思い出していた。 「嘘だな。何か考え込んでる時の顔してる」 「え?」 「色葉は気付いてないだろうけど、何か考え込んでると、眉間をこう寄せるクセがある」 意識してなかったけどそうなの? 慌てて眉間を指で隠す。 あ、ガキっぽい行動を取ってしまった……。 葵央がこっちをジッと見ているのに気がついて、コホンと1つ咳払いしてから落ち着いた口調で聞いてみた。 「他にもある?私のそいういクセ的なの」 「あったとしても教えるわけないだろそんなの」 「なんでよ……」 「隠そうとするから」 「当たり前だよ」 「ダメだろ。そういうわかりやすいところが色葉の可愛いところなんだから」 可愛いところって……。 カァッと頬が染まっていくのが自分でもわかる。
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