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「馬鹿野郎ー!あんな奴のどこがいいんだよっ!顔か?頭か?ふーざーけーんなぁぁチクショウー!」
急に固まりが立ちあがり話し出したと思えばー
(人..か。)
とりあえずホッとする。
明るい髪色に、シルバーピアス。
いかにもイマドキの若者、
明後日の方角にいろいろと叫ぶ姿は..
(いつのドラマのワンシーンだ)
その顔は、涙と鼻水と汁気の多いことこの上ない。
彼女に振られたらしいが..
店の近くでこんなー..
情けは人のためならず。
とりあえずちり紙を渡す。
結は困ってる人をほっとけないタイプだ。
「大丈夫ですか?」
彼は、ズズッと鼻をかみ、ようやく顔をあげた。
そして今度はじっくり、結を見つめた。
それはもう、穴があくくらいに。
「な、なんですか?」
黙ってみられてるほど気は長くない。
「いやー。親切で優しい上に..」
男はとんでもないことをいいだした。
「すげぇ可愛い..」
幸運とは不運の前触れである。
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