失態

7/9
前へ
/26ページ
次へ
「結はほんと可愛い顔だもん。 結見てると、女の子=可愛いって概念なくなるもんね。」 自信なくすわ~、豪快にケーキにフォークを刺し口に運ぶ。 若菜は美大に通う女子大生。 綺麗な黒髪を明るい茶色に染めたヘアースタイルは見慣れた。 小さい頃から危ない目には多々あっている。 数えたらきりがないがとにかく異常だ。 一番酷いので監禁、 思い出すだけでも吐き気がする。 言い方を変えれば美形の部類にも入らなくはないが、綺麗よりも可愛いと言われることが多く彼女がいたこともない。 「もういっそ彼女作ればいいじゃん。年上とかさいいんじゃない? 結は以外と甘えたい派でしょ。」 【年上】というワードになぜか先日のスーツのあの人がよぎる。 あわてて払拭するがー。 「どしたの?」 「なんでもないっ」 ほんのりと熱を帯びる肌。 「そういえば、..瑞希君元気?」 急に声のトーンが下がる。 瀬名 瑞希とは結の幼なじみだ。 エキゾチックな顔だちのクォーターで、長身、美形を生かしたモデルの仕事をしている。 若菜が声を潜めるのは無理もない。 瑞希は妖艶な色気たっぷりのいまうれっこのモデル。 しかし、高校時代いろいろとやんちゃし退学処分になったのだ。 今でも変わらず交流がある結を若菜は以前から心配していた。 「また、怪しいお店に出入りしてるみたいだから。」 つまり、若菜はそれがいいたかったのだ。 また、悩みごとが増えた。 「わかってる。僕からも注意しとくよ。」 祖父に両親。あげく瑞希まで.. 世話が焼ける。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加