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「結はほんと可愛い顔だもん。
結見てると、女の子=可愛いって概念なくなるもんね。」
自信なくすわ~、豪快にケーキにフォークを刺し口に運ぶ。
若菜は美大に通う女子大生。
綺麗な黒髪を明るい茶色に染めたヘアースタイルは見慣れた。
小さい頃から危ない目には多々あっている。
数えたらきりがないがとにかく異常だ。
一番酷いので監禁、
思い出すだけでも吐き気がする。
言い方を変えれば美形の部類にも入らなくはないが、綺麗よりも可愛いと言われることが多く彼女がいたこともない。
「もういっそ彼女作ればいいじゃん。年上とかさいいんじゃない?
結は以外と甘えたい派でしょ。」
【年上】というワードになぜか先日のスーツのあの人がよぎる。
あわてて払拭するがー。
「どしたの?」
「なんでもないっ」
ほんのりと熱を帯びる肌。
「そういえば、..瑞希君元気?」
急に声のトーンが下がる。
瀬名 瑞希とは結の幼なじみだ。
エキゾチックな顔だちのクォーターで、長身、美形を生かしたモデルの仕事をしている。
若菜が声を潜めるのは無理もない。
瑞希は妖艶な色気たっぷりのいまうれっこのモデル。
しかし、高校時代いろいろとやんちゃし退学処分になったのだ。
今でも変わらず交流がある結を若菜は以前から心配していた。
「また、怪しいお店に出入りしてるみたいだから。」
つまり、若菜はそれがいいたかったのだ。
また、悩みごとが増えた。
「わかってる。僕からも注意しとくよ。」
祖父に両親。あげく瑞希まで..
世話が焼ける。
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