運命という名のレール

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 私の名前は、野里玉子。  ひらがなにすると、のりたまこ。  最悪だ。  玉の様な子供に育って欲しかったのか?  名前の由来を、母に聞いてみる。すると、空を見つめながら答えてくれた。 「ふりかけって……最高よね……」  もう一度言う。最悪だ。  運命からは逃れられないのか?  こんな私に出来る事は一つだけ。結婚して、名字だけでも変えるしかない。  そして、チャンスが巡って来た。  取引先との接待に、私が指名されたのだ。  噂では金持ちで独身のイケメン。  そんな人と二人きりの食事……お見合いと言っても過言では無い。  私は半休を使って家に帰り、出来る限り最高のメイクと服装で料亭へと向かった。
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