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そんなことならどれだけよかっただろう…ロミオは切実に思った。つらい現実だけど言わなくちゃいけない、みんなに。
ロミオは真剣な顔で
「アルフレドは…アルフレドは…結核なんだよ」
ゆっくりと声を絞り出すように言った。
一瞬のうちにみんなは水をうったように静まりかえった。
「嘘だろ!」
「俺の聞きまちがいだよな。アルフレドが結核…ってさ」ダンテが真っ先にロミオに詰め寄ってきた。
「アルフレド昨日あんなに元気だったもん」ミカエルも目を見開いた。
「嘘じゃないよ。僕だってそう思いたかった。でも昨日の帰り倒れたんだ」
誰もが信じられなかった。いや信じたくなかったのだ。だってアルフレドはいつも明るく元気で真っ先に自分達に気遣ってくれた。少し色が白く細かったが、つらそうな素振りなど全く見せなかった。アルフレドに近付く病を信じられなかったのだ。
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