プロローグ

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「お兄ちゃん、お兄ちゃん、死なないで!私を一人にしないでよぅぅ。」 ビアンカは声の限り泣き叫んだ。 ここはカセラ教授の家。そこには青白いを通り越し真っ白な顔をしたアルフレドがベッドに寝かされていた。 ビアンカはアルフレドの様子がどこか違うと感じていた。もう不安なことなど何一つないのに。 そんなビアンカの表情を見てカセラ教授は何気なく尋ねた。 「ビアンカ。どうしてそんな顔をしてるんだい?かわいい顔が台無しだよ?」 ビアンカはアルフレドの様子がおかしかったことを伝えた。そのことを聞きカセラ教授は慌ただしく出ていった。ビアンカもなぜか胸騒ぎがし追いかけたのであった。 暗闇の中、二人はミラノの街を駆け巡った。 そしてアルフレド探しだしたのだ。聖バビラ教会で。 入った途端二人は言葉を失った。アルフレドは月明かりで輝くステンドグラスの下ロミオに抱き抱えられていたのだ。 それはまるで完成された絵画のようであった。 二人はすぐ傍に行きたいたかったが足が動かなかった。 神聖でそこだけが暗闇の中から切り取られ浮かび上がっているようだったのだ。 他のものが入るのをよせつけない美しさがあった。 時間にしては一分も見ていないのに二人にはそれが永遠のように感じた。 ふっと我にかえったカセラ教授は急いで駆け寄った。 「生きてるよ。疲れできを失っているだけだ」 ビアンカは固まり、ロミオは呆然としていたがアルフレドが生きていると聞きほっとした表情になった。 そしてアルフレドを担ぎ家に戻ったのであった。
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