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朝月
ジークは、まだぼやけた瞳で、浮かんでいる朝月を眺めていた。
ハッチを開け、ガレージへ向かう。そこには、一台のマシンが置かれている。エクリプスだ。ビリジアン色に輝き、鈍くひかっている。乗り込むとエンジンをかけた。エンジンは、唸りを上げて動き出した。低いエレクトリックな音と共に鉄の塊が宙に浮きだした。マシンのリア側の底は、青く発光している。
「オープン」ジークが言うとガレージのハッチが開いた。ハッチの外は、無数の底の見えない塔がそびえ立っている。飛び交うマシンの中を走り出した。エクリプスは、右、左とマシンを追い抜いていく、アクセルを踏むと唸り声をあげてスピードを上昇させた。景色は、残像で霞んで塔を追い抜いて行く。
マシンは、ある場所で停止した。
店に入ると黒い髪で褐色の肌の女がいた。
「いらっしゃい、注文は?」
「ツナサンドとレモネード」
「名前は?」
「バイオレット・アディー・モルソン」
「君の友達か?」
「奥にいるのは、兄のケインよ。」
ケイン「ここのツナサンドは、世界一だ。」
ジーク「そうかもな。宜しく。」
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