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「この学校の生徒やったんやな」
「そっちこそ。私は一年の井上千夏です」
「俺は三年の宮内竜司(みやうちりゅうじ)」
何も言えないでいると彼の方から話しかけてきた。先輩だったことに驚いたものの、確かに彼の雰囲気は一年とは思えないものだからなと自己完結させる。
「先輩だったんですね。あの、何であんな、ホストみたいな格好してるんですか?」
「何でって、んなもん趣味に決まっとるやろ!」
「趣味!?」
決まっとるやろって言われても……、といった感じだが、趣味で着るような服じゃないだろうと口元が引き攣る。
というか宮内先輩は服装こそ学校指定の学ランを着ているものの、下のシャツは着ずに赤いTシャツ、かけてこそはいないがサングラスはTシャツの中心に掛けられていて、高校生の服装とは言えない。いかにも先生に目をつけられてそうだ。
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