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「俺、兄貴がおってな。昔ホストやっててん。もう辞めたからって俺にくれたんや。かっこええからって家で着てみたら、えらい似合っててなー。気に入って外でも着るようになったんや」
「へー。というか自分で似合ってるとかよく言えますね」
「ああっ?」
「でも確かに、似合ってましたよ。最初ほんとにホストだと思ってましたから」
「……!」
正直今でもホストにしか見えませんが。そう言いたい言葉を飲み込んで、最初に会ったときのことを思い出して思わず笑ってしまう。いや、あれはホストというよりヤクザだ。浮かんだその言葉も必死に飲み込んだ。
でもホストだったお兄さんから貰ったスーツなら、ホストみたいじゃなく、正真正銘のホストの格好だったわけか。
何故か照れ臭そうに目を泳がせている宮内先輩を不思議に思いながら、もう一つ言いたいことがあるので口にする。
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