隣人はホストもどき

「あと宮内先輩、見かけによらず女子っぽいものが好きなんですね」

「あ？　どういうこっちゃ」

「だって……」

　視線を落としてみれば宮内先輩もそれを追い、自分の食べているもののことを指しているのだと気付き、かっと頬を染める。

「ばっ、え、ええやろ！　男がパスタ食べたって！」

「別に悪いとは言ってませんよ。ただ、カルボナーラなんてチョイスが可愛いなあ、って思って」

「うっさいわ！　もう、井上も座るんやったらさっさと座って食えや！」

　からかってみると思いっきり顔を赤らめて反論してくるその姿が何だか可愛くて、気付けば私は声を上げて笑っていた。

　何だろうこの人。すっごく可愛い。

　笑いながら私もようやく席に座ってご飯を食べ始める。親子丼は少し冷めてしまっていた。