隣人はホストもどき

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 最後に盛大な舌打ちに文句を重ねて私の方をビシッと指差しながら帰っていく彼の姿が見えなくなると、途端に恐怖と緊張が抜けてカウンターにふにゃりともたれ掛かれる。  こ、怖かった……!  その一言に尽きる。 「大丈夫? 千夏ちゃん。助けに入れなくてごめんねっ」  後ろから恐る恐るといったふうに声をかけてきた店長に、「遅いよ!」と文句を言ってやりたいのを何とか我慢した私を誰か褒めてほしい。  うちの店長は黙ってればかっこいいのに性格はヘタレだから、こういうときは全く頼りにならないらしい。さっきのお兄さんじゃないけど、思わず舌打ちしたくなる気分だ。
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