隣人はホストもどき

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 今日は親子丼にしようと食券を買い、カウンターにいるおばちゃんに渡すと少ししてほかほかの湯気が立ち上る親子丼が手渡され、それを乗せたトレーを持って席を探すと、あまり人のいない場所を見つけたのでそこのテーブルにトレーを置く。  けれどその向かいの席に座っていた人物に、一瞬で言葉を無くす。だって、そこにいたのは、その見覚えのあるサングラスは……。 「あ」  トレーを置いたきり、なかなか座ろうとしない目の前の人が気になったのか、顔を上げたその人と目が合うとすぐに言葉を発する。しかも同時に。  彼はここ数日でよく目にするようになったホストみたいな彼だった。何故彼がここにいるのか。ここにいるということは、彼は学生なのか。いろんなことが頭に疑問として浮かんでは口に出来ぬまま消える。
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