ザ、ガマン

3/5
前へ
/24ページ
次へ
そこで扉が勢いよく開いた。 琴美が、予想外のスピードで戻ってきたのだ。 「 おトイレ、使えないのっ! 詰まりを直すのに1時間くらい   かかるって! 今すいどー屋さんが居て外し……… 」 アボガド君の右手から、スカートが滑り落ちた。 両手を口に当てる琴美。が、見つめる先はそれでなく、 異様に腫れ上がったアボガド君の股間の方だった。 いつもと明らかに異なる、アボガド君のシルエット。 渡辺は今、全裸で美少女の前に立ち、そそり立つ性器を 晒け出している錯覚に倒錯した。 異性に勃起を見られるという、人生初の衝撃体験。だが…… 「 ど……どうしたのソレ…さっきより、もっと大っきくなって……   アボガドさん、だいじょうぶ!? 」 真逆……いや、やはりと言うべきだろうか? 勃起と言う生理現象を、この子はまだ知らない……そんな反応だった。 それならと渡辺はノートを乱暴に掴み、こう書いてみた。 『 実は アボガドも おしっこをガマンしていたんだ! 』 「 えっ!? おとこの人って、ガマンするとそーなっちゃうの!?   ゆうやくんとかも!? 」 『 それは、だれ? 』   「 きんじょのドーキューセーで、同じ小6だよっ! 」  『 オトナにしか出来ないガマンのしかたなんだ 』 「 大人びてるよっ ネックレスとかしてるもん 」 『 野球拳は強そうだね 』  「 ねえねえ、ことみといっしょに外のコンビニいこっ! 」 ---------- 行かせない。 『 アボガドは、このスーパーにかわれてる番犬なんだ    だからこの建物から、離れる事はゆるされないんだ! 』 「 じ…、じゃあ……直るまで? 1じかんもガマンすんの!? 」 その言葉にハッとした。過去を振り返ってみてそこまで我慢した事が あっただろうかと。無論、小便の事などでは無く、今の渡辺にとって それは射精の事だ。これから1時間もの間、勃起し続けるなんて……… 『 それは、無理かもしれない 』  「 ことみどうしたらいいのーーっ!? 」
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加