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そこで扉が勢いよく開いた。
琴美が、予想外のスピードで戻ってきたのだ。
「 おトイレ、使えないのっ! 詰まりを直すのに1時間くらい
かかるって! 今すいどー屋さんが居て外し……… 」
アボガド君の右手から、スカートが滑り落ちた。
両手を口に当てる琴美。が、見つめる先はそれでなく、
異様に腫れ上がったアボガド君の股間の方だった。
いつもと明らかに異なる、アボガド君のシルエット。
渡辺は今、全裸で美少女の前に立ち、そそり立つ性器を
晒け出している錯覚に倒錯した。
異性に勃起を見られるという、人生初の衝撃体験。だが……
「 ど……どうしたのソレ…さっきより、もっと大っきくなって……
アボガドさん、だいじょうぶ!? 」
真逆……いや、やはりと言うべきだろうか?
勃起と言う生理現象を、この子はまだ知らない……そんな反応だった。
それならと渡辺はノートを乱暴に掴み、こう書いてみた。
『 実は アボガドも おしっこをガマンしていたんだ! 』
「 えっ!? おとこの人って、ガマンするとそーなっちゃうの!?
ゆうやくんとかも!? 」
『 それは、だれ? 』
「 きんじょのドーキューセーで、同じ小6だよっ! 」
『 オトナにしか出来ないガマンのしかたなんだ 』
「 大人びてるよっ ネックレスとかしてるもん 」
『 野球拳は強そうだね 』
「 ねえねえ、ことみといっしょに外のコンビニいこっ! 」
---------- 行かせない。
『 アボガドは、このスーパーにかわれてる番犬なんだ
だからこの建物から、離れる事はゆるされないんだ! 』
「 じ…、じゃあ……直るまで? 1じかんもガマンすんの!? 」
その言葉にハッとした。過去を振り返ってみてそこまで我慢した事が
あっただろうかと。無論、小便の事などでは無く、今の渡辺にとって
それは射精の事だ。これから1時間もの間、勃起し続けるなんて………
『 それは、無理かもしれない 』
「 ことみどうしたらいいのーーっ!? 」
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