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それとは逆に、オーガズムと入り混じった琴美の放尿は永く続いた。
白い生足にいく筋もの透明な流れを作りながら、床を濡らす----- - -
精子という毒が抜け、次第に事の重大性が伸し掛る。
渡辺は今、晴れて立派な性犯罪者となった。
スーパーオーツキのマスコット『 アボガド君 』
小学6年の女子に性的悪戯。逮捕。
そんな新聞の見出しが頭を過る………
「 ……トイレはもう行かなくていいの? おじさん。」
どの位の空白があったろう……その声でビクリと我に返った。
鮎川 琴美は、元に戻ったアボガド君の下半身を
冷たい目で見つめそう呟いた。
まるで別人となってしまったかの様な彼女の発言に
渡辺の心臓は深く抉られ、背筋は凍りつき、その場に跪いた。
その短いたった一言で、今行われた行為に対する想いの全てを
彼女は見事に表現したのだ。
そしてその顔は、渡辺の人生を……これまでの30年間を、
全否定していた。
憐れみ…… 蔑み…… 怒り…… 嘲り…… 諦め…… etc……
それらが凝縮され渾然一体となった、残酷すぎる表情。
超一流の女優でも、池袋辺りに棲息するSMの女王様ですら、
そんな顔は作れないだろう。
渡辺は耐えられなくなり亀のように丸くなって地面に顔を伏せた。
自首だ……自首しなくては。
だがその勇気は、鮎川サイドからの訴えを息を殺して
恐れ続けるうちに希薄となり、
事件はそこから8年もの間、隠蔽された。
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