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「なぁ、もう腹減ってしょうがないんだけど  親父も帰って来たんだし、食べようよ」 響ちゃんはそう言って さっきまでやっていたゲームをセーブしてテーブルの上に置いた。 響ちゃんが言うように あともう少しでお腹が鳴りそうなくらいお腹がすいてきた。 「そうね、  聡士君が帰ってくるにはあと時間以上あるし  達也ももう少しで帰ってくるだろうし、ねぇ…  …あら、お父さんもお風呂出たみたいだし  食べ始めましょうかね」 あー良い風呂だった、なんて言いながら入ってきたおじさん。 ラフな格好なのにだらしなさがなくて格好良い。 響ちゃんが大人になったらおじさんみたいになるだろうな。 響ちゃんより優しい感じの達ちゃんはおばさんに似たんだろうな。 それにしてもご飯になってよかった。 いくら気心知れてても お腹が鳴る音を聞かれるのは この年じゃあ恥ずかしもの。 「はーやっと食べれる、いただきー」 「こらっ、まだ駄目よ」 「何でだよ!」 「今日は莉奈ちゃんの入学のお祝い!  はい、まずはお父さんから」 「ん、莉奈ちゃん、入学おめでとう  篠原さんも言っただろうけど  悔いのないように高校生活を送りなさい  三年間はあっという間だからね」 「次はおばさんね  兎に角たのしんで、入学おめでとう」 リビングのテーブルを挟んで向かいに座る二人から お祝いの言葉を貰った。 両親からは昨日の夜に同じような言葉を貰った。 高校生活は思ったよりも短いから 悔いが残らないように精一杯頑張って楽しみなさい、と。 両親と同じように私の事を思ってくれる 二人の気持ちが嬉しい。 「おじさん、おばさん、ありがとうございます  勉強も遊びも目一杯頑張ります」 「そうね、頑張ってね。それじゃあ 「「「「頂きます」」」」 隣に座る響ちゃんは待ちくたびれてたからか すぐさま、またから揚げに手を伸ばし 頑張れー、と言いながらもう片方の手で頭を撫でてくれた。
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