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軽いノリだけど
響ちゃんならきっと困っていたら
見捨てないで助けてくれる、と思う。
でも、そうやって頼ってばっかりいるから
皆『妹』扱いのままなんだろう。
高校生になったんだからすぐ皆に頼らないで
一人でなんでもこなせるようにならなくちゃ。
……うん。
そう心の中で決心して
おばさんが作ってくれたちらし寿司を頬張りながら頷く。
「ん~、美味しい~」
「莉奈ちゃんはいつも美味しそうに食べてくれるから
私も作り甲斐があって嬉しいわ」
「おばさんも翔ちゃん家のおばさんも
お母さんも優奈ちゃんも皆料理上手だから
私、太っちゃいそうで困っちゃうな~」
どうしよう、なんて言いながらまた一口。
本当に美味しい。
「お前、食べてばっかで…
教えてもらおうとか思わないわけ?」
「な、何よ!
食べてばっかりじゃなくて
ちゃんと味を覚えて皆に教えて貰おうと思ってるもん!
お弁当だって自分で作ろうと思ってるんだから、ふんっ!」
「へぇ~、
それならたまには食べてやってもいいから
俺の分も作れよ」
「え~ヤダよ、
絶対文句言うもん」
「ちぇっ」
「ハハハッ、女の子がいるとほんと賑やかだな
家の中が明るくなって楽しいな
莉奈ちゃん、うちの子にならない?」
「えっ、いや~いつもお邪魔しちゃってて
ご迷惑かけちゃってるから…」
「うちはそんなこと思ってないよ
莉奈ちゃんなら大歓迎」
おじさんもおばさんもニコニコと笑ってくれていて
本心で言ってくれてるように見えるけど、私は…
隣の響ちゃんは我関せず、とバクバクと食べ続けてる。
すると、ガチャ とドアが開いて
「聞き捨てならないですね
僕は反対です」
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