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いかんいかん、ここは真剣に・・・・
「なぁ・・・・・」
「・・・・・・・・・」
少女は応えず、こちらに向きもせずBLを熟読している。
「なぁって」
「・・・・・・・・・・」
「オイ!」
頭にきてオレは思わず声を荒げた。
「はぁ~~~・・・・・?」
あからさまに深ぁいため息を吐く幼女。それはまさに『アイアム不機嫌』って言った具合に―いやココはどー考えても返事しない君が悪いよねぇ。
「サトシ・・・・・おそい」
BLラノベを閉じながら呟く幼女。
遅い・・・・・ナニが?
「キン、ずっと待ってた。サトシが声、掛けるの」
「いやだから、オレ声かけ・・・・・」
「キンの計算では、サトシ、キンがご本読み終わってすぐ、話しかける」
知らんがな! おのれの計算なんてっ!
それにBLを『ご本』って呼ぶ人はこの地球上にいません!!
「キンこれ読むの、今日で6回目」
ベッドの上のラノベを指さして言う幼女。
だから知らんがな!!!
「んで・・・・・なに?」
オレのツッコミにもお構いなしに、幼女は問うてくる。
先ほどと同じ―死んだ魚の様な瞳で。オレは深呼吸して、
「キン、今日こそ・・・・・時間を―」
「キンとゲームで勝ったら」
オレの言葉を遮 り言い捨てる幼女―キン。
また『今日』もゲームかよ・・・・・
「はぁ・・・・・なにすんの?」
めんどくさくて後頭部を掻くオレにキンは、
「ジャンケン―」
「ぷっ、ジャンケン? なに、そんなんでイイの?」
単純過ぎるゲームに―まぁ単純なことに越したことはないが―
ついオレは噴き出してしまう。
「で、キンがなに出しているかサトシが当てられたら、サトシの勝ち」
エ・・・・・・イマナントオッシャイマシタ?
「オレがキンの出しているヤツ見事当てられたら・・・・・勝ち?」
「サトシ・・・・野暮なこと、いちいち聞く、だめ」
キンは両腕で大きなバッテンを作った。それもうジャンケンですら
ないよねぇ! 単純ではあるけど全く別の遊びだよねぇ!
「・・・・・・イイよ」
まぁこの際単純であれば、ゲームの種目なんぞはどーでも良い。
オレの言葉に頬を赤らめるキン。ゼッテーコイツオレとめちゃくちゃ
遊びたいだろ。
「じゃんけん・・・・・・」
えっもぉはじめんの?
「ポンっ」
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