25人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・・・・・・ハイっ??」
ちょっと待て、これって相手の言っている事がウソかホントか当てるゲーム
なんじゃないの? これじゃまるで『相手の思った事をその表情や仕草を
手掛かりに発現した者が当てるゲーム』になっていないか。
「サトシは、キンと遊びたい」
再び、キンが顔をグイっと近づけてきて言葉を発する。その瞳はうるうると輝いているが、両耳に金色の髪を垂らして覗かせるその顔からは、どこか疑いに満ちていた。
まさかコイツ、オレが本気で遊びたいって思っているか怪しんで、それを
ココで、こんな形でその真偽を確かめようとしているのか!?
ヤバい!―オレは必死に平静を保とうと顔の筋肉に力を込める。
だがごまかそうごまかそうと力むほど、変に顔が引きつって行くのが解った。
「・・・・・・・サトシ・・・・・ウソ」
「やっ、ちがっ・・・・・」
「ホントはキンとなんか遊びたくなかった」
拗ねた様にキンは呟いた。
「誤解だキン、オレはそんなこと・・・・」
「ウソついたから、サトシの負け」
勝ったのにまるで嬉しくなさそうなキンは、本棚からBLラノベを抜き取ると、
再びベッドに戻ってそれを読み始めた。
「頼むキン! もう一回? もう一度オレにチャンスをくれ!」
オレは何度もキンにそう懇願したが、キンがそれを聞き入れては、結局はくれなかった。しかしオレは、必死にキンに頼み込んだ。
まるでキリスト像の前で、許しを請う罪人の如く。
そして、お約束通り・・・・・・・・『今日』が終わった。
最初のコメントを投稿しよう!