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ループ1
「今日こそ・・・・・・今日こそ・・・・・今日こそ・・・・・」
部屋の中で、オレは机に座ってぶつぶつと呟いていた。
もちろん健全な男子高校生が自分の部屋で独りぶつぶつ喋って
いると、あいつなんかヤバくね? と、誰か―誰かは知らんが―
に言われちゃいそうだけど・・・・・オレにそんな心配をしている余裕も
時間もなかった。だからオレは決意を胸に、座っている椅子を回転させて振り返った。そして咳払いを一つして、
「なぁ・・・・・」
オレはベッドに―ベッドに腰を下ろしている、一人の少女に声を掛けた。
輝く金色のショートカットの髪に『指輪物語』あたりに
出て来る騎士が着ていそうな戦装束に身を包んだ―小人並みに身長の低い少女。
いやこの場合・・・・・『幼女』と呼んだ方が妥当か。
しかもその頭の上には―髪色と同じ金色の鱗にまみれた耳と、腰には
尻尾・・・・・・明らかに人間離れした格好だ。
その少女、もとい幼女は足をぷらぷらさせながら、昨日買ってきたであろう、
BLらしきラノベを、死んだ魚のような目で読みふけっている。
人のカネでBL買いやがって・・・・・ってゆーかよく店員もこんなわけ解らん
女の子にそんなもん売ったなぁ!
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