episode1

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剛毛な黒髪、ニキビがぽつぽつとある肌、スカートは膝下という地味な私とは正反対だ。 キーンコーンカーンコーン… 今日も憂鬱な1日が始まるー…。 *** お昼休み。 私はいつものように、旧校舎に向かった。 旧校舎ー…別名、幽霊棟。 本校舎から徒歩5分くらいにある幽霊棟は、そこだけ時間が切り離されたような、ひっそりとした雰囲気だ。 二階の窓から青白い女の人が見えたとか、夜な夜な誰かの悲鳴が聞こえるとかそんな噂が後を絶たない。 本当はこんな所怖くて嫌なんだけどー… 教室にいたくない。 その気持ちの方が大きくて。 私は一階と二階の踊り場で、お弁当を広げた。 「いただきます。」
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