episode1

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「お、おぅ…?」 いきなりのことでびっくりした私は、言葉に詰まった。 王子様、と言おうとしたのだから、詰まってくれて良かったのだけれど。 「だ、誰ですか…?」 二言目は、噛んでしまった。 ああ、なんで私はいつもこうなんだろう。 と、些細なことで自己嫌悪してしまう自分に嫌気がさす。 「誰だと思う?」 サラサラの黒髪に均整のとれた顔立ちの王子様は、意外と意地悪なようだ。 「え…と、分からないです。」 正直に答えてしまったのだけど、これで良かったのだろうか。 すると王子様は、フッと優しく目を細めた。 たったそれだけなのに、ドキドキと高鳴る心臓。 落ち着け、落ち着け。 「君は…」 誰が想像しただろうか。 この次に来る言葉を。
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