2人が本棚に入れています
本棚に追加
「お、おぅ…?」
いきなりのことでびっくりした私は、言葉に詰まった。
王子様、と言おうとしたのだから、詰まってくれて良かったのだけれど。
「だ、誰ですか…?」
二言目は、噛んでしまった。
ああ、なんで私はいつもこうなんだろう。
と、些細なことで自己嫌悪してしまう自分に嫌気がさす。
「誰だと思う?」
サラサラの黒髪に均整のとれた顔立ちの王子様は、意外と意地悪なようだ。
「え…と、分からないです。」
正直に答えてしまったのだけど、これで良かったのだろうか。
すると王子様は、フッと優しく目を細めた。
たったそれだけなのに、ドキドキと高鳴る心臓。
落ち着け、落ち着け。
「君は…」
誰が想像しただろうか。
この次に来る言葉を。
最初のコメントを投稿しよう!