完熟トマトと黒縁眼鏡

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「私は陽平くんと、少しでも長く一緒にいたいんだけど。 そういうのは、……迷惑、なのかな」 ふるふるとあたまを振ると、陽平くんのあたまが上がる。 両手でずり落ちてた眼鏡を支えるように押し上げると、珍しく真っ直ぐ私の顔を見た。 「迷惑、なんかじゃない、よ。 僕も、愛桜ちゃんといっしょに、いたい」 前髪から僅かに覗く瞳が、強い光を帯びて光ってる。 たまに見せる、格好いい陽平くんの顔。 そういうギャップがまた好きだったりする。 「じゃ、じゃあ、いこ」 これもまた珍しいことに、陽平くんの方から私の手を掴んで歩き出す。 顔が、熱い。 つないでる手は両方とも真っ赤だから、きっと陽平くんの顔も完熟トマトになってる。 「じゃあ、がんばってね」 「……!」
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