完熟トマトと黒縁眼鏡

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俯いてしまった顔。 長い前髪が垂れて顔を隠してるけど、泣きそうになってるのは明白。 ……うん。 自分ばっかり話してないで、こうやって気を使ってくれる優しいところも好き。 「退屈じゃないよ? もっと陽平くんの話、聞かせて?」 にっこりと笑顔で返すと、おずおずと陽平くんの顔が上がった。 「ほんとに? 僕の話、つまんなくない?」 「ううん。全然」 「よかった」 ぱっと、まるで花が咲いたみたいに陽平くんが笑う。 ああもう、可愛すぎだよ! 食べたいちゃくなるでしょ!  
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