全てが終わった話

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「お母さん、お父さん?和也?」 暗い部屋を月明かりを頼りに進む。もう夜中の2時過ぎだろうか、暗い部屋と踏むたびにギシギシと軋む床は酷く不気味に思える。 喉が渇いて降りてきたが、ふと部屋を見ると父も母もいない。胸騒ぎがして弟の和也の部屋を見ると弟もいない。 ーなんで…?ー あとはリビングだけだ。 キィィと耳障りな音を立てリビングのドアが音を立てて開く。 そして、踏み込んだリビングの光景に私は身体が固まり動かなくなる。 金縛りに遭った様に動かない身体が次第に動き出し、最初にした行動は悲鳴を上げる事だった。 床には死体が転がっていた。血に塗れ、倒れた父と母、そして弟。彼らの身体には刃物で切り裂かれた様な傷が至るところに存在した。 そして、この時の私には家族の瞳が酷く冷たく光って見えた。 私の世界は止まってしまったのだ。この日から…
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