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かあちゃんが、俺の名前を何度も呼ぶ。
トラックの運転手も降りてきて、俺を車の下から引きずり出した。
「良かった……。轢いちまったかと思ったよ」
かあちゃんが、俺を抱き締めておいおいと泣いた。
「かあちゃん、ごめんよ。これから、ちゃんと勉強するから。塾もいくから」
かあちゃんは、ふるふると首を振った。
「勉強も塾もいい。命があってくれたなら、それでいい……」
俺は本当に申し訳なく思った。
俺のかあちゃんは、俺のためのかあちゃんなんだって、そのとき思った。
俺もいつか、結婚して子供が出来たら同じことを言おう。
『命があってくれたなら、それでいい』と。
了
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