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私は小野田さんに答えながら碧斗を見る。
「あ、そのブリュレ、大丈夫ですか? 私が食べましょうか?」
「バーカ、カロリー気にしないでいいほどもう若くねーだろ」
「そんなこと」
……ない。と、答えようとすると、小野田さんがテーブルの上に頬杖をついた。
「いいなあ。二人はいつもそんなに楽しそうに仕事してるの?」
「楽しかねーよ」
「そんなことありませんよ」
私たちは突然の彼の言葉にすぐさま否定の返事をした。
「そうか? そうだ。小柳さん、秘書なんてやめてここに来ない? ここに来たら毎日美味しいまかない作るし、試作のデザートの試食もお願いしたいし」
彼が冗談を言うので、私も冗談で返そうとすると、碧斗が彼に冷たい視線を投げた。
「そういうわけのわかんねー誘惑はやめろ。コイツが本気にしたらどうするんだよ」
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