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「碧斗、来てたんだ?」
碧斗が厨房に顔を覗かせると、俯いていた真っ白なコック帽が明るい笑顔と一緒に上を向く。
「碧斗じゃねーだろ」
碧斗が彼を睨む横で私は彼の視線が流れてくるのを待って浅くお辞儀をした。
「あ、小柳さん。こんにちは。お疲れ様です」
「副社長こそお疲れ様です」
私はもう一度改めてお辞儀をした。
「お前、俺とこいつの扱い間違ってねーか?」
横で碧斗の顔が不満を露わにするが、副社長の小野田さんは社内でも唯一この表情には動じない。
「細かいことは気にしない」
彼はマイペースに笑顔を見せた。
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