魅惑のデザート

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どうして、普段はそれがこうも発揮されないのだろうか。 人によく言う、ONとOFFがあるのなら、 そのスイッチの切り替わりがプライベートと仕事の間にでもあるのだろうか。 でも、もしもそうだとすれば…… ……あのことにも説明がつく。 私はもう一度口をへの字に曲げたまま碧斗を睨んだ。 すると、心配そうに私を見る小野田さんが目に入ったので、私は慌てて表情を取り繕った。 彼の目は何か言いたげでありながらも口は開かなかった。 代わりに目が合った私が苦笑いを返すと彼はいつもの穏やかさを見せてくれた。 「小柳さん、あっちのテーブルで試食、いいかな?」 「あ、はい……」 私が碧斗に確認の意味で無言で伺いを立てると、 「碧斗も一緒に」 と、彼は碧斗への気遣いを忘れなかった。
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