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「そんなこと……」
今までそんなことは一度も言ったことがないのに、突然の彼の言い分に私は驚いた。
彼の謙虚さと言うよりは、何か得体の知れない企みのようなものが見えた気がした。
「生ビール、二つでお願いします」
私は店員に訂正すると「とりあえず、それで」と、一度店員をその場から追いやった。
「変な気の使い方やめてよね。こっちもビールがまずくなるじゃない」
「だってさ、働かざる者食うべからずって言うじゃん。あ、でも、今日はバイト代入ったし、俺が払うから」
「バイト? 智、バイト始めたの? 仕事は? 就職が決まりそうだって言ってたのは?」
ついこの間まで就職活動に専念するからと言って、清掃員のバイトを辞めたのだ。
そして、今日のあのメール。
そのことがあって、私は彼を質問攻めにしてしまった。
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