二人の生活

2/34
479人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
私はその言葉に凍り付いた。 「な、何がですか?」 「お前をここに連れてきたこと」 何が碧斗の気に障ったのか困惑し、つい先ほどの自分の言動を振り返るが、大きく思い当たる節はない。 すると、碧斗はため息交じりにおもむろに言った。 「考えてみれば……これでお前とは二十四時間一緒にいなきゃなんねーことになる。ま、それはお前も同じだが、お前は自業自得。俺の方はお前といる限りずっと仕事が抜けきらねーし、家にいても休んだ気がしねーよ」 「確かに……そうですよね……」 確かに私は自業自得だが、碧斗には自分が思っている以上の負担を掛けることになる。 「すみません……」 私は謝るしかなく、頭を下げた。 すると、碧斗はソファの背もたれから起き上がり前のめりになって言った。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!