二人の生活

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「あ、はい……」 碧斗との約束があるにしろ、結局は夕飯は一人になる。 碧斗と暮らすようになって外食も随分減ったので、久しぶりに外で食べたいという思いもあった。 「そっか、よかった。会えるの、楽しみにしてるよ」 私が返事をすると小野田さんは声色を輝かせた。 「今日は……名古屋支店の方でよろしいですか?」 「いや、今日は別のところにしよう。たまには僕も客になりたい」 と、彼は笑った。 彼は駅で待ち合わせることを決めると電話を切った。 待ち合わせと言っても相手は副社長だ。 私は彼を待たせないように早めに会社を出て駅に向かった。
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