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この夜、
私たちはいろいろな話をした。
今日一日の、朝からの出来事もすべてなかったかのように
二人でワインのボトルをゆっくりと空けた。
深夜になって
二人で惜しむようにリビングを離れた。
そう思っていたのは私だけかもしれないけれど、
私は再び身体を巡る心地よい酔いを醒ますのが惜しくて
シャワーを浴びるのもためらったほどだ。
案の定、
シャワーを浴びてベッドに潜るころには
小さなため息がこぼれる。
小野田さんから向けられる好意が本気であることを知り……
千穂美ちゃんの秘めた想いも知ってしまった。
その上で
気付き始めた自分の気持ちの行き場に
私はどうしていいのかわからなくなってしまった……
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